居酒屋の経営を成功させるために！知っておきたいこと

最終更新日：2023年11月10日

• 居酒屋を開業するメリットとデメリット
• 居酒屋の開業資金の目安
• 開業する居酒屋のコンセプトを考えよう
• 物件の下調べを入念に行う
• 経営を成功させるために1.取引先ネットワークを軽視しない
• 経営を成功させるために2.商品やサービスで手を抜かない
• 経営を成功させるために3.自分と社員を大切にする
• 居酒屋の経営に必要な資格と手続き
• ライバルも多い！居酒屋の経営を成功させよう

おいしい食事とお酒、そして居心地のいい雰囲気でお客さんに日々の疲れを癒し楽しい時間を提供する居酒屋。そんなお店を始めてみたいけれど、いったい何から手をつければいいのだろうと迷っていませんか。ここでは、居酒屋経営のメリットとデメリットをはじめ、経営に成功するためのポイントや必要な手続きについて紹介します。

居酒屋を開業するメリットとデメリット

居酒屋を開業するにあたってそのメリットとデメリットについて考えてみましょう。まずはメリットからみてみると、居酒屋経営は利益率が良いことがあげられます。居酒屋定番のビールを例にとってみると、大瓶一本の仕入れ値に対してお店での提供価格はだいたい2倍程度、近年人気のハイボールやサワー系のアルコールなら一般的な提供価格約500円に対して原価が50円程度と、ドリンク類は大変利益率の高いメニューです。ちなみに、儲けが薄そうなソフトドリンクも実は原価率が低く、利益率が高くなっています。居酒屋に来店したほとんどの人が何らかの飲み物を注文することを思えば、ドリンク類の利益率の高さは見逃せません。料理に関しては、食材の質を落とすとお客さんの満足度が如実に下がる恐れがあるため、調理の手間があまりかからず人件費を抑えられるメニューをうまく開発すれば高い利益が得られるでしょう。ついついドリンクをもう一杯頼みたくなるような看板メニューがあるといいです。
2つ目の大きなメリットは居酒屋経営の資金効率の良さです。小売業などでは仕入れた品物が売れるまでに時間がかかるとそれだけ売り上げの回収が遅くなりますが、居酒屋経営ではその日のうちに現金で回収できるので、それだけ資金繰りが楽になり余分な運用資金を用意しなくて済みます。たくさんの在庫品を抱えて保管場所に困ったり、万引き対策に悩まされたりすることがないのも飲食店である居酒屋の強みです。
それでは、居酒屋経営のデメリットとはどのようなものでしょうか。それは、やはり新規の出店数が多いため常にたくさんの競合店としのぎを削り合わなくてはならない点でしょう。飲食店の開業は比較的敷居が低く、条件さえ満たせば若者でもシニア世代でもお店を始めることができます。そのため、競争の激しい飲食業界でお客さんの奪い合いに勝利して生き残っていくためには、自分の店ならではの特色を打ち出して魅力ある居酒屋づくりを目指す必要があります。仕入れやメニュー作りで無駄なコストをカットする工夫を重ね、定期的に通ってくれる常連客をたくさん獲得できるよう努力を重ねていくことが重要でしょう。

居酒屋の開業資金の目安

居酒屋を始めたいと思ったらどのくらいの開業資金を用意すればいいのでしょうか。居酒屋業界の平均的な開業資金は600万円ほどといわれていますが、ギリギリに抑えて下は200万円から立地やこだわりによっては、上は1000万円以上と幅が広く一概にはいえない部分があります。開業時に必要となる経費を大まかにあげてみると、物件取得費、店舗投資費、人件費、広告費、運転資金などになります。
物件取得に関する主な費用をみてみると、まずは「保証金」が賃料の10カ月分ほど必要です。保証金は退去時に償却後の金額が戻ってきますので、その割合や条件については契約時にしっかりチェックしましょう。次に、物件の所有者に支払う「礼金」が賃料の1～2カ月ほどかかります。これは戻ってこないお金なので、望む条件で礼金なしの物件があればそれに越したことはありません。そして、不動産業者に支払う「仲介手数料」が相場で賃料の1カ月分と、契約する日から月末までの日割り計算した家賃＋翌月の家賃を合計した「前家賃」が必要です。これに加えて、賃貸する物件に前の借り主が使用していた飲食店の内装や設備が残っている場合、「造作譲渡費」を支払って、それらをそのまま譲り受けることができます。前に営業していたお店を利用するいわゆる「居抜き」と呼ばれるものです。この譲渡費は店舗の状況によって金額もさまざまでしょう。以上のことから、たとえば賃貸料が月に20万円の物件ならば、保証金200万円＋礼金1カ月分20万円＋仲介手数料20万円＋前家賃（最小）20万円で、造作譲渡費なしでも単純計算で物件取得に260万円は必要です。
次に、店舗投資費に含まれるのは厨房で使用する機器を購入するための「厨房機器費」、お店の内装を希望に合わせて設計し工事してもらうための「内装・施工費」、集客のための大切な「看板施工費」などです。オープニングスタッフを雇うには、まず人材サイトなどに登録して従業員を募集するための費用と直接給与としての従業員に支払う費用、そして新人研修のための研修費用も必要になります。新しいお店をお客さんに知ってもらうためにはチラシやホームページを作ったり、グルメサイトに掲載してもらったりするための広告費も重要です。このほか、お店の制服や備品類を揃えたり、メニュー開発をしたりする際の費用も考えておきましょう。賃貸料は固定されたものなので立地条件や広さなど譲れない部分がありますが、店舗投資費用は中古の機器を探して工夫したり状態のいい居抜き店舗を探したりと、工夫次第で抑えることができます。逆に、こだわりのコンセプトがある場合にはしっかりお金をかけて内装に凝ることもできます。
開業時に用意する運転資金は多ければ多いほど安心感が高まりますが、目安としては1カ月の必要経費×半年～1年分の金額を用意できればよいとされています。どんなに素晴らしい居酒屋でもお客さんに知られていない最初のうちは売り上げが思ったように伸びないものですから、経営が軌道に乗るまでの資金をしっかり持っておくと精神的にも余裕を持って営業ができます。このように、開業に必要となる資金は店舗の立地条件や広さ、内装や設備のこだわり度、従業員の人数などの条件によって大きく変わってきます。

開業する居酒屋のコンセプトを考えよう

居酒屋を始めたいと思ったら、開業前にそのお店のコンセプトをしっかり固めておくことが大切です。そのためには「どこで、いつ、何を、誰に対して、いくらで、どのように販売するか」をはっきりさせ、店の業態を決める必要があります。そして、お客さんが何のために自分の店を利用してくれるだろうかという利用動機を想定することも大事です。
「どこで」は居酒屋を出店するエリアのことです。周辺の人口や人の流れ、賃貸料金の相場などさまざまな要素から判断します。この土地のこの特産品を採れたてで提供したいから絶対にこの場所で開業したい、もしくは所有地があるのでそこで開業したいなどのこだわりや条件がある場合には、立地調査を行ってその場所での商売が実現可能かどうか判断しましょう。「いつ」は居酒屋の営業時間です。早めに開店して閉店するのか、朝まで営業するのかなどの設定を行います。「何を」はお客さんに提供する料理やドリンクです。コストダウンを徹底して安く飲める店やこだわりの食材が自慢の店など、ひとくちに居酒屋といってもさまざまです。「誰に」はターゲットとなる客層を指します。若い世代がワイワイ騒いで飲める店かシニア世代が落ち着いて飲める店か、はっきり住み分けして差別化することもできます。「いくらで」は価格設定ですが、ここはターゲット客層と密接に関わるところです。「どのように」は販売の仕方やサービスのスタイルです。人材費削減のためにタブレットなどを用いたセルフ注文スタイルを取り入れたり、持ち帰りの総菜や弁当を開発したりと、アイデア次第で幅が広がります。
上であげたような業態を決定づける条件は、ひとつひとつが深くかかわり合っています。ここだけは譲れないと思うポイントがある場合にはそれを軸に据えれば、自然と他の条件も定まってきます。自己資金と融資を受けられる金額とのバランスを見ながら実現可能なプランを練っていきましょう。

物件の下調べを入念に行う

開業したい居酒屋のコンセプトがしっかり定まったら、それに見合った立地条件の店舗物件を探しましょう。たとえば、お手頃価格のフードとドリンクで回転率のいい居酒屋を目指すなら、駅前や繁華街など人通りの多い場所が適しています。通行する人がお店の看板を見て入店してくれる可能性が高まるため、広告費を抑えられるというメリットもあります。店舗が建物の1階に位置していると入店率がよりアップします。ただし、人が多く集まる場所はそれだけ店舗の賃貸料も高くなる点に注意が必要です。反対に、こだわりの料理ととっておきのお酒を売りにした居酒屋を目指すなら、繁華街から少し外れた場所に隠れ家的なお店を作るプランも考えられます。客単価が高い設定なので回転率を気にする必要はなく、ゆったり過ごせる居心地が良く上質な店の雰囲気づくりが大切です。繁華街に比べると毎月の賃貸料を抑えられるのも魅力のひとつです。
では、実際に物件の下調べをする際にはどのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。まずは希望する場所周辺の飲食の需要を見極めることが大切です。ビジネス街で昼間はランチ、夜は仕事帰りのサラリーマンの需要が見込めるケースや、発展している商店街でファミリーやシニア層に愛される地元の店としての発展が考えられるケース、学生街で大学生の気軽な飲み会の需要を見込めるケースなどさまざまです。候補となる物件の周辺にどんな施設があり、どのような人が住んでいるかを実際にリサーチすることから始めましょう。そして、昼と夜でその場所の交通量や人の流れがどのように変わるか、また季節によって大きな変化がないかどうかチェックすることも大切です。マーケティングを得意とする企業から周辺のデータを買ったり立地調査を依頼したりすることもできますが、そこに費用をかけるよりも実際に自分で現地に出向いてその場所の昼と夜の顔を見てみる方法もあります。周辺を歩いて人通りを確認し、競合他店にお客さんとして出向いて飲食してみるだけでもその場所で自分が開業したときの具体的なイメージがわくはずです。
また、候補となる物件の周辺に自分が開業したい居酒屋のイメージと同じタイプの店が何店もある場合、その場所は出店するのにあまりよい場所とは言えません。同じニーズを持ったお客さんを奪い合う状況が予想されるため、避けておくのがベターでしょう。反対に、近隣に居酒屋が複数あってもターゲットとなる客層や強み・特色が違っていれば問題ありません。なんとなくおしゃれだから、栄えているからなどといった漠然とした土地への憧れで判断するのではなく、自分の店のコンセプトと業態にしっかりあった立地条件の物件を探すことが大切です。

経営を成功させるために1.取引先ネットワークを軽視しない

居酒屋経営を成功させるための大切なポイントの1つ目は、「取引先ネットワークを軽視しない」ということです。居酒屋を経営する際には営業中にお客さんに提供する料理のための食材やドリンク類を必ず仕入れます。その仕入れ額のひとつひとつが数％ずつ違えば、ちりも積もって山となり結果的に利益額が大きく変わってきます。毎月固定の家賃や削減しようのない光熱費は仕方がありませんが、工夫を重ねて良いものを安く仕入れる努力が売り上げアップにつながっていくのです。そのためには仕入れ先を少ない業者に限定せず、複数の取引先を開拓することが重要です。相見積もりを依頼して仕入れ値を比較し、上手に交渉できれば原価を抑えて利益率を上げることができます。
新規でもフランチャイズに加盟しているなどのコネクションがあれば安く仕入れを行えるケースが考えられますが、まだ経営実績がない個人経営の小さな居酒屋では思うように良い仕入れの取引先が見つからない場合もあります。初めは苦しくても誠実に商売をして、良い商品を安定して長く提供してくれる仕入れ先や外注業者を増やす努力を続けましょう。
とはいっても、最初はどうやって仕入れ先を見つければいいのでしょうか。まずは業務用食材の卸を行っている業者を複数ピックアップして契約してみましょう。コストの比較のほか、業者によって取扱商品や得意分野に違いがあるなど実際に契約してみると見えてくるものがあります。特に配送面で有利な店舗近くの業者と契約して懇意になれば、お得意さんとしていろいろな要望に応えてもらえる可能性もあるでしょう。また、直接業者とやり取りするのではなく、インターネットを通じて業務食材専門の通販サイトから仕入れを行うこともできます。サイトに載っている豊富な食材のなかから必要なものをピックアップしたり、使ったことのない新しい食材を見つけたりといった便利な使い方ができます。翌日または翌々日に宅急便で配送してくれるのもうれしいところです。次に、生産者と交渉して直接仕入れを行う方法もあります。近隣の農家と交渉するほか、ネットで検索してみれば食材の全国発送を行っている生産者もたくさんいます。フードメニューに特色を持たせたいときなどに活用するのがおすすめです。安定して良い品を安く提供してくれる複数の業者としっかりしたつながりを持つことは、居酒屋経営を成功させるうえでの大きなカギとなるでしょう。

経営を成功させるために2.商品やサービスで手を抜かない

ポイントの2つ目は「商品やサービスで手を抜かない」ということです。人間だれしも同じような毎日をずっと続けていると、ふとした瞬間に気持ちが緩んでしまうこともあるものです。居酒屋経営においても、開業してある程度の時間が経ってくると仕事に新鮮味が感じられにくくなり、悪い意味での慣れが生じてしまうことがあります。しかし、お客さんと飲食店との出会いはいつも一期一会。たとえ常連さんであってもたるんだ気持ちで接客すれば足が遠のくかもしれませんし、新規のお客さんならもう二度と来店してはもらえないでしょう。
実際忙しい日にクーポンを利用して来店してくれたお客さんに本来のセット内容とは異なる手のかからない似たメニューを出して、後でネットに酷評を書き込まれたという例もあります。どんなに忙しくて手が足りなかろうと、利益率の落ちるクーポン客であろうと、わざわざ店に足を運んでくれたお客さんに対して毎回誠実なサービスをすることで満足度が上がり、リピーターを獲得するチャンスを得られるということでしょう。最近は食べに行くお店を決める際や飲み会を企画する際にグルメサイトの口コミを判断材料の一つにする人も多くいます。良い評価が書き込まれていると新規のお客さんも安心して来店してくれるという効果がありますが、たまたま料理やサービスに少し手を抜いてしまったときのお客さんがそういったサイトに悪い口コミを書き込んで評価をぐっと下げると、それを読んだ人も「ここはやめておこうかな」と敬遠する原因になってしまいます。
来店してくれたお客さん全員に誠意をもってサービスし、安定した品質の料理やお酒を提供することがリピート客を増やし、新規客を獲得する道へとつながっているのです。

経営を成功させるために3.自分と社員を大切にする

ポイントの3つ目は「自分と社員を大切にする」ということです。フランチャイズで居酒屋を開業する際にはロイヤリティを支払うぶん、本部からさまざまなサポートを受けることができますが、個人で一から居酒屋を始めるときには店舗の立地調査から事業計画に資金繰りにと計画段階でもやることが山のようにあります。そして、晴れてお店をオープンしたあとも基本的には自分で何でも決断し、実行していくことになります。もちろん、経営する居酒屋の規模にはよっては店を回すのに力になってくれる従業員やアルバイト、パートなどを雇って一緒にやっていく場合も多いです。しかし、その人たちはあくまでも経営者の指示のもとで働く従業員であり、日々重要な決定を下し責任を負っているのは経営者本人です。店のすべてが自分にかかっているという重圧は経験してみないとなかなか実感できないものですが、そのプレッシャーに負けずに前進し続ける精神的な強さが経営者には求められます。
ただし、気負い過ぎは禁物です。店を背負って立つ覚悟は必要なものですが、必要以上に気負い過ぎて自分一人で無理を重ねると、どこかで限界がきて心身に異常が出る可能性があります。身体を壊して倒れたり、心を病んで入院してしまったりしては元も子もありません。精神的余裕がなくなってくるとその人が本来持っていた他人に対する思いやりや優しさが発揮されにくくなり、イライラと怒りっぽい状態に陥りやすくなります。そのような状態ではお客さんに対する接客にも影響が出ますし、裏方の雰囲気もギスギスしてせっかく雇って教育したスタッフの離職率が上がる可能性もあります。「自分が頑張らなくては！と空回りしていたら、いつのまにか本当にお客さんもスタッフもいなくなって一人きりになっていた」ということがないように、自分の心身の限界がくる前に休息をとるよう心がけましょう。自分も従業員も大切にして円滑な人間関係が育み、スタッフ間に良い雰囲気が生まれればそれがお客さんにも伝わって接客の質もアップするはずです。

居酒屋の経営に必要な資格と手続き

さて、居酒屋を開業するにはどんな資格や届け出が必要になるのでしょうか。飲食物を提供するため調理師免許を取らなくてはならないようなイメージが強くありますが、実は居酒屋経営に調理師免許は必要ありません。必須の資格は食品衛生責任者と防火管理者の2つの資格になります。食品衛生管理者は飲食店を営業するにあたって各店舗に必ず1名置かねばならない決まりになっています。この資格を得るには都道府県が実施している講習を受ける必要がありますが、講習が終われば当日中に受講修了証が交付されます。受講は一日で済み受講料も教材込みで10,000円と誰でも手軽に取得することができます。調理師免許を持っている人や栄養士の資格のある人は講習を受けることなくこの資格を得ることができます。
防火管理者には2種類あり、店舗の収容人数が30人以上で延べ床面積が300平米以上の場合は甲種防火管理者、同じく収容人数30人以上で延べ床面積が300平米に満たない場合は乙種防火管理者の資格を取得する必要があります。店舗の収容人数が30人未満のごく小さな店舗の場合は防火管理者の資格がなくても問題ありません。この資格を得るにもやはり消防署が実施している講習を受講して修了証の交付を受けます。受講に必要な日数は甲種で2日、乙種で1日となっており、受講費用は教材費の3,000～5,000円程度です。食品衛生管理者と防火管理者の資格を取得するとともに、保健所と消防署に必要な届け出について相談に行っておきましょう。食品営業許可申請や防火管理者選任届など開業までに必要な手続きについて詳しく教えてもらえるはずです。
このほか、忘れてはならないのが「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」です。深夜の0時以降もお客さんにお酒の提供を行う場合には所轄の警察署にこの届出を提出します。この届出を受理してもらうためには、店内の照明の明るさや構造などに必要な用件があるので注意が必要です。いざ開業となったときに困らないよう、開業計画を立てる段階で資格と手続きについてしっかりと確認しておきましょう。

ライバルも多い！居酒屋の経営を成功させよう

居酒屋経営の第1のメリットは、主力の商品であるアルコールなどのドリンク類の原価が低く利益率が良いことです。ついついお酒が進むような活気あるお店作りや空いたグラスは積極的に下げに行って次の注文を聞くなどの地道な努力をすれば、売り上げアップも期待できるでしょう。第2のメリットは、居酒屋経営は資金効率が良く早期に現金回収できるので、余分な運用資金をたくさん用意しなくてもよいという点です。デメリットは参入の敷居が低いために競合他店が多く、激しい競争に勝ち残っていかなくてはならない点でしょう。
居酒屋を開くには平均で600万円程度、下は200万円から上は1000万円ほどの開業資金が必要だと言われています。しかし、実際には店舗の立地条件や設備や内装にどれだけこだわるか、居抜きの物件を使うかなど個々の状況によってさまざまです。まずは自分がどんな業態の居酒屋を開きたいのかじっくり考えてコンセプトを固めることが重要でしょう。コンセプトが決定したらそれに沿った物件選びを行い、立地調査をしっかり行って自分がターゲットにしたい客層をしっかり獲得できる場所かどうか調べます。
居酒屋経営を成功させるには、良い仕入れ先を複数持って信頼関係を築いていくことが大切です。複数の仕入れ先から吟味して食材を選ぶと、料理の質のアップやコストカットにつながります。また、開業後は手抜きすることなく、お客さんとの出会いを一期一会と考えてその都度最良のサービスを提供しましょう。その努力がリピーターと新規客の獲得につながります。そして、忘れてはならないのが自分自身と店のスタッフである社員を大事にすることです。店に関わる人間が心身ともに健康であってこそ、居酒屋経営を成功させていけるのです。
居酒屋開業に必要な資格は、食品衛生管理者と防火管理者（店舗の収容人数30人以上の場合）です。それぞれ1～2日で取得することができ費用もそれほどかかりません。資格を取ったら保健所と消防署に必要な届け出を行えば良いです。また、深夜の0時を超えて酒類を提供する場合は所轄の警察署に届け出が必要になります。いずれの手続きも事前に相談へ行き、必要な用件や書類について詳しく教えてもらうのがおすすめです。
新規に開店する店が多く競合するライバル店がたくさんいる居酒屋業界ですが、開業前にしっかりとコンセプトを決定して他店に負けない強みと個性を打ち出せれば勝ち残っていくことができるはずです。立地や市場調査など一から自分で調べ上げていく個人経営の店も自由度が高い点が魅力的ですし、初めはノウハウを持ったフランチャイズに加盟してサポートを受けながら安心して開業するのも選択肢の一つです。開業前にはできるだけ多くの開業事例や資料を読み込み、居酒屋経営について理解を深めましょう。

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