太郎さん
前回（第14話）のお話から少しイメージできるのですが、融資の専門家と、公庫の信頼関係があれば、融資金額も増加する可能性があるということですよね？

田原先生
もちろん、信頼関係があることによって、ご自身で融資を受けるよりも、融資を受けられる確率があがるので、融資金額も増加すると考えられますが、それだけではないんです。

太郎さん
融資っていろいろ駆け引きがあるのですね。

田原先生
そうですね。
例えば、「最低500万円借りたい」方が、
500万円だとギリギリなので「1,000万円借りたい」と、
このような希望をされる方が実務上は多いのです。
この時、とりあえず、借入希望額には1,000万円と記載します。
公庫の担当者が、融資の専門家に「最低いくらあれば、開業できますか？」と最低限必要な金額を聞かれることがあります。
このとき、本来は、最低500万円あれば問題ないとわかっていても、「700万円最低必要です！」とお願いすることで、融資金額が700万円になることもあるのです。
もちろんこの交渉は、公庫の担当者にしなければならないので、融資の専門家がいなければ交渉をするのは難しいでしょう。
この交渉の材料として、返済期間を短くしたり、据置期間を短くして、借入金額を増額させるケースもあります。
また、何度も同じ担当の方に融資をお願いしているため、交渉もしやすくなるという背景もあります。

太郎さん
確かに、もし私が自分で融資を受ける場合に、「なんとか貸してください！」とお願いすることは出来ても、その他の案は思い浮かばないですね。その点、専門家の方のほうが引き出しが多いので、駆け引きで少し増額することもありそうですね。

田原先生
「先生の紹介じゃなかったら、融資出来なかったです。」などと公庫の担当から聞くこともありますので、少しでも融資の確率をあげ、融資金額を少しでもあげたいと考える場合には、専門家に相談することをオススメします。

太郎さん
飲食店を開業する際に融資が必要なときには、是非お願いしたいです。

田原先生
そうおっしゃって頂けると非常に嬉しいです。

太郎さん
融資は、創業時に1,000万円以上の高額の融資を受けやすい業種と、高額の融資を受けにくい業種があると噂で聞いたことがあるのですが、それは本当ですか？

田原先生
本当です。
次回【第16話】で高額の融資を受けやすい業種と受けにくい業種をご説明しますね。